30代女性の山口美帆さん(仮名)は、夫の浮気調査を依頼した。山口さんが依頼するまでの経緯、他社との対応の違い、依頼後の心境など、詳しくお話を伺いました。
SECTION1
浮気を疑い始めたきっかけ
山口美帆(仮名)と申します。東京都内在住で、現在38歳です。3歳と1歳になる子どもがいます。
結婚は2002年です。職場で知り合って10年ほどお付き合いした上での結婚でした。
今の仕事は自営業で、主人が現場での技術面を、私が経理や営業などの顧客管理を担当していました。
おかしいなと思い始めたのは去年の8月ごろからです。
主人が仕事仲間と携帯のコミュニティサイトで知り合った人達とのとのオフ会に参加してから、「趣味の釣りだ」と言って、外泊する日が多くなったり、金遣いが荒くなったりしたんです。
携帯電話の使用料も月に10万円くらいに跳ね上がりました。あるとき、偶然主人の携帯電話を見てしまったんです。メールには「今日は遅いからもうメールできないよ」「昨日、たくさん会えたから今日は我慢するわ」「君がいてくれたら何もいらないよ」等と、ありえない文面が並んでいました。
はい。その場ですぐ「このメールのやり取りはなに?」って。すると主人は、あわてた様子でしたが、それは携帯電話のコミュニティサイトで、仮想恋愛ごっこを楽しんでいるだけだと言い訳しました。
実際には会ったこともない人だと。そしてもうこれっきりで止めるからと、そのメールを削除しました。
いいえ。日頃の主人の言動から考えると、やっぱりおかしいと思いましたから。
でもその時点では本当の事を話してくれたら許そうと思っていました。
でも主人は逆切れしてしまって、話し合いにはなりませんでした。
たまたま見つけた探偵事務所に電話
いいえ。その時は一人で悩んでいました。それでインターネットで「浮気」「調査」などの言葉で検索してみたのです。
たまたま目に入った調査会社に電話してみました。「24時間女性相談員が対応します」という文言に惹かれたんですね。
女性が対応してくれました。事情を話すと、「それは絶対クロよ。ちゃんと調べたほうが良いわ」と言われました。
しかし料金について尋ねると、電話では話せないから一度事務所に来てくれと言われて。
私ももう少し詳しく話を聞いてみようと思って出向く事にしました。
相談員は「かわいそうに」ばかりを繰り返し言うんですね。なんだかそれでさらに落ち込んでしまって。
でも真実を知りたいという気持ちは強くなりました。
その時はまだ「もしかしたら違うかもしれない」という一縷の望みにすがっていたんだと思います。それで、とりあえずGPSをつけてみましょうということになりました。1か月のGPSの使用料で30万円と言われました。
それはその時私が考えていたマックスの金額でした。それですべてがわかるなら、30万円払おうと思いました。
30万円でGPSを取り付けて
はい。調査員が来て、主人の車にGPSを取り付けてくれました。取り付けの際には、私の立ち会いは不要だと言われました。
なんでも私にさえ調査員の顔がばれないようにということで。
GPSは1か月間取り付けることになっていましたが、2週間たったところでバッテリーが落ちてしまい、そこでGPSの調査は終了ということになってしまいました。でも、その2週間の調査でも、主人が毎日のように横浜方面に行っていることがわかりました。
特定のホテルに行っているようだとも教えてもらいました。
疑っていた主人の浮気がどんどん現実のものとなっていくような気がしました 。
「離婚」という二文字が頭をかすめました。そのためにも、浮気の確かな証拠が必要だと。
その探偵事務所ではGPSの結果は見せてはもらえたのですが、データはもらえず、自分で書き写すしかありませんでした。
これでは証拠にはならないなと思いました。相談員の方にも浮気現場の写真が必要だと言われました。
そこで証拠写真を押さえる調査をお願いしたんです。
8時間で40万円だと言われました。
もうその時は比較検討するなんて余裕が私にはありませんでした。それでお願いすることにしてしまったんです。
証拠写真を撮るために40万円
それが、いつ調査されたのかもわからなかったんです。
GPSで横浜方面に向かっていることを確認して調査に入りますから、調査日は任せてくれと言われて。
いつまでたっても連絡がないので、不安に思ってこちらから電話してみました。
すると「1週間前に調査は終了しています。写真も撮れていますよ」との返事でした。あわてて事務所に伺いました。
主人と女性がホテルに入っていくところ、出ていくところの写真が撮られていました。
でも相手の女性の顔はわかりませんでしたし、身元もわかっていませんでした。
写真を見たときにどう思ったのか、あまりよく覚えてないんですよ。ショックが大きかったんだと思います。
わかってはいたけれど、裏切られたという思いや、嫉妬や、とにかくいろんな思いが押し寄せてきて、自分が壊れてしまいそうでした。でも、相手の身元が分からないことには、確たる証拠とはいえません。
それを調べるためにはさらに50万円かかると言われました。そんなお金は工面できそうもありませんでしたから、そこで帰るしかありませんでした。
渚探偵事務所の高橋さんと出会って
やはりインターネットでした。もうお金もないし、どうしようと思っていました。先の事がまったく考えられずに、ただ一人で悩んでいました。
この時もまだ誰にも相談していなかったんです。親にも心配させちゃいけないと思って話せなかったんです。
あてもなくいくつもの探偵事務所のウェブサイトを見ていくうちにたどり着きました。
何よりも目を引いたのは「笑える離婚」という文字でした。
クリックすると高橋治香さんが監修した「笑える離婚塾」というサイトに行きつきました。
そのページには浮気調査のメリットやタイミング、実際に調査を依頼した場合の報告書のサンプル、また離婚に関してもありとあらゆる情報が網羅されていました。
ページを読み進むにつれて、このままじゃ終われないという思いが強くなり電話をかけてみたのです。
それで渚探偵事務所に電話をかけてみたのです。
電話をとってくれたのが高橋さんでした。高橋さんは私の話をじっくり聞いてくれました。
主人の言動がおかしいと思ったいきさつ。もうひとつの探偵事務所に依頼して、写真は撮れたけれど相手の身元がわかっていないこと。そして支払った金額の事も。
高橋さんは電話で明確な金額と料金体系も教えてくれました。高橋さんに会ってみようと思いました。
再調査を依頼
はい。前の探偵事務所での調査結果も持って、高橋さんに会いに行きました。
高橋さんは単に同情するというのではなく、今後の事等を的確に示し、アドバイスしてくれました。
もし離婚を決意した場合、何が必要になってくるのか。どのような支援が受けられるのか。
そしてどんな精神状態になるのかも予測して話してくれました。それを聞いて、光が見えたような気がしました。今まで不安だらけだったのが、「私にもできる。大丈夫だ」と思えたんです。
そして今まで漠然としていた「離婚」が現実的なものと考えられるようになりました。
はい。離婚するなら、確たる証拠が必要だと思いました。
前の調査結果もあり、ある程度の情報がすでにあるので、15時間調査のプランで大丈夫だろうと高橋さんにアドバイスを受けました。最終的に何時間か延長もお願いしましたが、支払ったのは実費もすべて含めて約25万円でした。
調査について
ひとつはもちろん金額ですね。
以前の探偵事務所にはGPS1か月の取り付け(実際はバッテリー切れで2週間)で30万円、8時間の尾行で40万円の合計で70万円払いました。女性の身元調査でさらに50万円かかると言われました。渚探偵事務所には18万円で2名の探偵の方による15時間の尾行がつきました。金額設定も明朗でした。
調査結果にも違いがありました。以前の探偵事務所は写真は撮られていましたが、小さくて画像も荒く、相手の女性の顔までわかりませんでした。しかし渚探偵事務所の調査結果の写真は鮮明で、相手の女性の顔もはっきりとわかりました。また以前の探偵事務所では50万円と言われた相手の女性の身元調査も、25万円内で住居地と勤務地までわかりました。
それから、調査日の決定です。以前の探偵事務所はいつ調査が行われているのかわかりませんでした。でも高橋さんは、私に確認をとって調査日を決定してくれました。これは不安感がぬぐえてとてもありがたかったです。
調査している間も、連絡を密にとってくれました。今、2人が会いました。ホテルに入りました。ホテルから出ました。2人が別れたので、女性の方を追います。といった具合に。
結局、15時間に満たないで証拠の写真が撮れ、女性の居住地が分かりました。
そこでいったん調査を打ち切ってもらい、後日勤務地まで確認してもらえました。
勤務地が分かったことで、相手は思った通り携帯コミュニティサイトのオフ会で知り合った人がだということもわかりました。
深い仲になる前に、主人がポロッと言った事を覚えていたからです。
私としてはすべての証拠が揃い、満足行くものでした。
調査結果を受け取る際にも、高橋さんからは色々アドバイスをもらいました。
どうしても譲れないものを明確にし、絶対に欲しいものを明確にしておくこと。
そして強気で条件を切り出すようにとの事でした。そうすれば話し合いでもめたときに、交渉の余地があるので、最終的に譲れないものは確保できる確立が高くなるとの事でした。私は親権と養育費、仕事の権利がもらえれば良いと思っていましたが、高橋さんのアドバイスを受けて、慰謝料と相手女性からの慰謝料も条件に加えることにしました。
調査結果が出て
それまで誰にも相談していなかったので、調査結果が出る前に母と妹に話をしました。
高橋さんに色々相談したことで、私の味方になってくれる人がいるんだって心強く思ったからかもしれません。
母も妹も近くに住んでいましたから、最近主人があまり帰っていないからおかしいと思っていたようなんですね。
私が離婚も考えていると話すと、「あなたが今後一番幸せになれると思うような選択をしなさい。それがどんな選択でも、応援するから」と言ってくれました。嬉しかった。もっと早くに話をすれば良かったと思いました。
身近の信頼できる味方を得、証拠が揃い事実が分かったことで、私は心に余裕が出てきました。
それまで落ち込んだりパニックになったりして何もかも疑心難儀だったのですが、冷静にこれから先の事も考えられるようになりました。そして主人の言い訳や嘘が可笑しく思えてきたりもしました。
同時に、もう主人の事は信頼できないなと確信しました。
ご主人との対決
主人には年末の仕事がすべて終わってから切り出そうと思っていました。ちょうど同じ日に相手の女性にな内容証明を送ることにして準備をしていたんです。でも予定の3日ほど前にささいな喧嘩をしてしまって、その時に思わず言ってしまったんです。
「あなた、浮気してるでしょう? 何もかもわかっているのよ」って。
いいえ。それも高橋さんにアドバイスされていました。
証拠の写真などを見せずに、冷静にひとつひとつ切り札を出していくほうが効果的だと。
そのアドバイス通りにしました。冷静に。
相手の女性の名前は○○さんね。
○○に住んでいる人ね。
勤め先は○○ね。
よく行ってるホテルは○○でしょう。
最初はごまかそうとしていた主人ですが、観念したように黙り込んでしまいました。
でも私が「相手の女性にも慰謝料を要求するわ」と言ったとたん、主人はあわてました。そして言ったんです。
「相手の女性には一切かかわらないで欲しい。すべて僕が悪いんだから。慰謝料でもなんでも払うから」と。
ああ、主人は私と子どもたちではなく、相手の女性を取ったんだなと思いました。その言葉は私にとって非常にショックでもありましたが同時に吹っ切れたような、これで離婚に向かってまっすぐ進めるといった決意のようなものをもたらしてくれました。
離婚に際しての条件
驚くほどスムーズでした。その場で主人は私に、
子どもたちがそれぞれ20歳になるまで養育費(1人につき2万5千円)を払うこと。
子どもたちの親権は私がとること。
仕事、住んでいる家は私がそのまま引き継ぐこと。
慰謝料300万円を払うこと等
を主人は納得しました。主人が私に出してきた条件は、私が相手の女性に接触しないこと、慰謝料の請求もしないことくらいのものでした。
私は高橋さんのアドバイスもあって、主人の気が変わらないうちに公正証書にまとめました。
話し合いが終わるとすぐに、主人は簡単な荷物をまとめて出ていきました。
支払いは5月からということにしてあるので、まだ支払われていません。主人はほとんど身一つで出て行ったので、まず自分の住まいを見つけ、仕事をみつけと最低限の準備期間が必要だろうと思っています。
相手の女性にはお子さんもいらっしゃる事がわかっているので、転がり込む事もできないだろうと思ったのです。
主人が出て行ってすぐに、主人の保険を解約したりして40万円のお金を作り、給料だとして主人に渡しました。車も3か月間は無償で使っても良いということにしました。
主人に対しては、許せないとか悔しいという気持ちもありました。主人が何もかもなくしたのは自業自得だと思っています。
でも実際には私と子どもたちを静かにそっとしておいて欲しいという気持ちのほうが強いんです。
だから行くところもお金もなくて、変に私たちに構ってこられたらそのほうが嫌だなって。主人にも幸せでいて欲しいなんてまだ言えませんが、せめて不幸であって欲しくはないなと思っています。
そして現在の心境
主人はようやく住まいを見つけたようで、転居届が出されたところです。
これから仕事も見つけてもらわなくちゃいけませんね。書類が一通りそろったので、私は明日にでも離婚届を出しにいくつもりです。
私と子どもたちの姓を私の旧姓の戻し、母子手当を申請に行ったりと、まだまだしなくてはいけない手続きはたくさんあります。
今は前向きな気持ちでいっぱいです。ようやく「別れて良かったんだ」と思えるようになってきました。それまで自分を責めてばかりでしたから。まだ姑、主人の母には話をしていないようですから、これからも波風は立つでしょう。でも子どもたちを守って幸せにしてやれるのは私しかいません。その為に少しずつ生活を安定させなくてはいけませよね。
でも子どもたちを幸せにする前に、私自身が幸せになろうと思っています。それが子どもたちの幸せにもつながるって思えるようになったんですよ。最近は子どもを預けて美容院に行ったりして、自分の為にもお金を使って綺麗になろうって努力しています。
評価
スタッフの皆様、調査員の方には本当にお世話になりました。ありがとうございました。
特に相談員の高橋さんにはお礼の言葉もありません。
色々相談に乗ってもらったこと、アドバイスしていただいたことが、どれほどありがたかったか。
普通なら、調査して結果を出して、はいそれまでだったと思うんですよね。実際お支払いはその分の報酬だけなんですから。
でも高橋さんはずっと親身に相談に乗り続けてくれました。
私が今こんなに前向きに元気に生活できるようになったのは高橋さんのおかげです。
これが「笑える離婚」という意味だったんだなって思えるところまでくることができました。
一人で悩んでいないで、本当に信頼できる人、絶対に自分の味方になってくれる人に相談してみたらって声をかけたいです。
私がそうだったんですが、一人で悩んでいると自分が壊れていきそうなんですよね。
壊れてしまうくらいなら、「離婚」だって一つの選択肢なんです。
かと言って、人の口に戸はたてられません。私の場合は、相談できる人は親と妹でした。そして高橋さん。きっとあなたも大丈夫だから、高橋さんに相談してみればって言いたいです。
お忙しい中、有り難うございました。
- 取材・執筆:柳瀬美仁