神奈川県横須賀市に住む依頼人は都内の通信機器販売会社の営業マン。

探偵社をインターネットで調べ、数社見積もりをした末に弊社へ相談を頂く事となった。その相談とは、1か月ほど前に会社の同期とビールを2,3杯飲んだ後の帰る途中、乗り換え駅での出来事がきっかけだったという。

40歳前後と思われる女性に声を掛けられ、意気投合してその夜にホテルに行く事になったという。

依頼人曰く、最後までの関係にはなっていないというが、その際にまた、たまには逢いたいと言われ連絡先を教えて別れた。その後、10日程経ち、依頼人のもとへ見知らぬ携帯番号から連絡があり、濁声の男性から「人の女に手を出して、、、、、、、、」お決まりのセリフでハッキリと言わないが、金品を要求している事は明らかだったという。

依頼人は相手にせず、電話を切った。その後、何度か同番号から電話が鳴るが、電話をとらなかった。

不安な日々を過ごし、このまま何もなければと期待していたが、数日後、依頼人にとって最悪な事態が起こる。

なんと、その男から自宅の固定電話に連絡があったのだ。

自宅電話番号は教えていなかったのに、なぜ?妻子がある依頼人はとにかく家族に知られる事を恐れ、誠意として15万円を指定された口座へ振り込んだ。

そこで強請が終わらないのは世の常、また2週間後に携帯電話へ電話が鳴り、さらなる要求が続き、これで最後という甘い言葉に断り切れず、週末の日曜日にその男に言われるがままに会う約束をした。

自宅まで知られた依頼人としては警察沙汰にして家族に発覚する事を最も恐れ、お金で解決出来るのであればそのまま終わらせたいという。今回の要求も15万円だった。

そこで探偵事務所を探しはじめたという経緯だ。

もし、今後も続くようなら表立って闘う事も考え、待ち合わせの時にその男を尾行して、身元を特定させて欲しいという。

最初の対応が拙かったのは言うまでも無いが、今回の対応も最善とは言えず、他の方法を指南したが、依頼人の気持ちは変わらなかった。私どもとしては依頼人の意向に沿って最善を尽くすしかない。

相手も警戒行動が予想される通常2名で行う素行調査を3名体制で実施、請け負う事となった。

週末、男が指定したのは郊外のパチンコ店の駐車場。

相手は依頼人の顔を知るが、こちらは電話のみで顔すらわからない状況の中、調査員3名、車2台、バイク1台の最善を尽くす体制を整えた。

恐らく、相手も指定場所へ早めに来て、こちらの仲間や監視する者がいないかのチェック位するだろうという事を先読み、調査員は2時間前から同店の駐車場に配備した。

とにかく、こうした相手も警戒するようなシチュエーションでは先に到着している事はもちろん、このテリトリーから出るまでが調査の可否を決めるものだ。

待ち合わせの1時間ほど前にチンピラ風の不審な2人組が乗った、10年落ちのクラウンが駐車場に入ってきた。

年齢は共に50代、ノッポ男に太った男、まるでマンガに出てくるコンビだ。後部には女性が乗車している。

パチンコをするわけでも無い3人組、間違いない。

依頼人が待ち合わせの15分前に到着すると、太った男がノッポ男、女を引き連れて、依頼人のもとへ歩み寄った。

交渉窓口は全て太った男が担い、ノッポも女もただただ後ろにいるだけだ。

10分後、依頼人は封筒を男に手渡し、別れた。

その後、追尾した結果、近くのファミレスで3人はお茶をしながらしばらく談笑し、同店に各自の車を駐車させていた様子でクラウンの他、他の軽自動車にそれぞれが分乗して、別行動となった。

各車輌のナンバーのみ記録し、中心人物とされる太った男の尾行を行い自宅割り出しに成功。

その後、氏名、同居人などを調べ、調査は無事に終了した。